ガットの寿命は、約3ヶ月!
それ以上使うと、打球感が損なわれ、張り方によってはラケットが変形します。それに加え、たわみ方が大きくなることにより、ボールの飛び出す角度が変わってくるのでボールコントロールが悪くなります。
しかし、長く張り替えないことによってテニスエルボー(テニス肘)になりやすくなることはありません。
なぜなら、ガットが伸びラケット表面はたわみやすくなるからです。
たわみやすくなることは柔らかくなることなのでヒット感が低減し、ボールを打つことによる衝撃も減じます。だから肘への負担は軽くなります。
●材料力学的な視点に立って得たデータの範囲では次のことがいえると思います。
1 初心者 ナイロン(mono)
ヤング率が低い(最も柔らかい)ので、ボールを打つとき手への負担が最も少ない。しかし、切れやすいという欠点があるが、初心者の遅いスイングでは、なかなか切れないでしょう。
2 中年以上の男性&女性 ナチュラル(gut)orナイロン(multi)
2つともポリエステルよりもヤング率が低く、とりわけナイロン(multi)は耐久力があります。しかし、ナイロン(multi)はヤング率が比較的に高いので、初心者や中年以上の女性には、テンションを少し落として張ったほうがテニス肘防止になります。
ナチュラル(gut)の一番の特徴は、ボールの飛びが良いことです。この飛びの経年劣化が最も少ない。だから、切れさえしなければ長く使ってもストリングとして劣化しにくい。したがって、うまく使えば、わりと経済的かもしれません。
しかし、最近は表面加工されているとはいえ、水分を含むと強度が落ちるので、雨の降る中でのプレーは厳禁です。
3 コントロール重視の方 ポリエステル
ヤング率が高い(固い)のでストリング面が変形しにくい。しかも強度が高いので強打しても切れにくい。固いためテニス肘にはなりやすいので気をつけて下さい。
4 張り上げテンション
10ポンドくらい違っても、殆どの人が分かりません。なぜなら、ラケットにボールが当たって、ボールが飛び出す速度、それにボールのスピンに全くといってよいほどテンションの影響がないからです。(テクニカル・テニス 丸善出版)
そのことは考えると、故障防止のため、テンションは低めに張ったほうが良いでしょう。
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